2017 年 13 巻 2 号 p. 10-21
目的:海外で発達してきたセルフマネジメントという概念を、我が国に取り入れていくために、セルフマネジメントが我が国の慢性期看護分野においてどのように用いられているか概念分析の手法により明らかにした。
方法:2001年~2015年の和文献で、論文タイトルに「セルフマネジメント」の用語を含む26論文を対象とし、Walker and Avantの方法を参考に分析した。
結果:属性として「慢性疾患と共に生きるために生じた課題に対処する活動」「課題への対処法を洗練するプロセス」「医療者とのパートナーシップに基づく協働」の3つが導き出された。先行要件として、「疾患・症状管理の必要性の自覚」「苦痛の体験」「情報に基づくセルフマネジメントへの肯定的認識」「自己効力感」「支援者の存在」の5つ、帰結として、「慢性疾患と共に生きる生活方略の獲得」「慢性疾患の悪化移行の防止」「身体機能の維持・改善」「症状緩和」の4つが導き出された。
考察:我が国における慢性疾患のセルフマネジメントを「慢性疾患と共に生きる人が医療者とのパートナーシップに基づく協働により、疾患特有の管理とその影響の管理という課題に対処する活動であり、その人が問題とすることに主体的に取り組み、対処法が洗練されていくプロセスである。」と定義した。我が国において、セルフマネジメントを取り入れ定着させるには、医療者が患者を思いやる精神を活かしつつ、意図的に患者の自己決定を促す機会をつくり、患者と協働することが鍵になると考えられた。さらに、今回の結果を基に、特定状況にある対象者のセルフマネジメント状況を測定する用具を開発する必要性が示唆された。