医療看護研究
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総説
「通いの場」の効果の評価方法と評価の結果
種市 ひろみ中村 睦美菱田 一恵
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2024 年 21 巻 1 号 p. 19-33

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抄録

 目的:介護予防に向けた「通いの場」の実践活動の評価に言及する国内文献から、活動の効果の評価方法と評価の結果を明らかにする。

 方法:「通いの場」をキーワードとして、医中誌Web、CiNiiにて検索し、活動の効果の評価に言及している論文を選択した。対象者、評価対象の場、活動内容、評価方法・効果の評価などを抽出した。評価指標は「運動機能」「栄養状態」「精神機能」「家庭・社会参加」「総合的評価」に分け、評価方法及び評価の結果をまとめ、課題を検討した。

 結果・考察:対象文献27件が抽出され、量的研究26件、質的研究1件であった。対象と対象の場が身体活動中心であった文献は12件と最も多く、評価指標を複数使用している文献が多かった。「運動機能」の指標12種類のうち、握力を指標とした文献が9件と最多であったが、高感度に筋持久力を評価できる指標が適切と考えられた。「栄養状態」の指標は3種類で、活動により明らかな効果が認められ、今後の研究・活動の広がりが期待される。「精神機能」7種類、「家庭・社会参加」8種類の指標が使用されていた。「総合的評価」10種類の指標は評価に有用であった。今後、質的評価の推進と、多様な生活背景をもつ高齢者に共通して使用できる評価指標の活用が課題であると考える。

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© 2024 順天堂大学医療看護学部
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