医療看護研究
Online ISSN : 2758-5123
Print ISSN : 1349-8630
研究報告
Precaution Adoption Process Modelに基づく20歳代日本人女性の子宮頸がん検診受診に対する障壁および促進要因:質的研究
大久保 美保飯島 佐知子
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2025 年 21 巻 2 号 p. 65-74

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抄録

要 旨

目的:日本の20歳代女性の子宮頸がん検診受診率は低いが、健康行動の段階別に受診に関連する要因は明らかになっていない。本研究では20歳代が子宮頸がん検診を受診するまでの健康行動段階における障壁・促進要因を明らかにすることを目的とした。

方法: 20歳代女性に半構成的面接を実施した。対象者をPrecaution Adoption Process Modelに基づき無認識から維持までの7段階に分類した。

結果:回答者は16名であり、7割が無認識の段階であった。障壁は【情報検診受診に関する情報提供の不足】【阻害する社会的規範】【阻害する信念・感情】【婦人科や医師の良くないイメージ】【受診しにくい制度】であった。促進要因は【受診を促す知識・情報の提供の方法】【支援的な社会的規範】【安心できる医療者の対応】【受診しやすい制度】に分類された。無認識の段階では周囲の人の受診の有無が障壁または促進要因として語られた。【受診しやすい検診制度】は各段階に共通に語られた。

結論:20歳代女性の無認識の者には年齢が近い者が集合した場所で教育し一緒に検診を予約するなど同調行動を活用した環境設定や身近な者の推奨の必要性が示唆された。

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© 2025 順天堂大学医療看護学部
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