医療看護研究
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Print ISSN : 1349-8630
研究報告
急性期病棟に入院する超高齢者のエンド・オブ・ライフケアのマネジメントに関して病棟師長が捉えている課題
浅野 久美子湯浅 美千代島田 広美杉山 智子
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2025 年 22 巻 1 号 p. 33-42

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抄録

要 旨

 目的:本研究では急性期病棟に入院する90歳以上の高齢者(以下、超高齢者)のエンド・オブ・ライフケア(以下、EOLケア)のマネジメントに関して、病棟師長が捉えている課題について明らかにすることを目的とする。

 方法:関東地方の414施設で超高齢者が入院する急性期病棟の病棟師長を対象とし、看護部長に無記名自記式質問紙を2名の病棟師長へ配付するよう依頼し、郵送法で個別に回収した。

 結果:828部を配布し、同意にチェックがあった196部を分析対象とした。回答者の59.4%が1か月に1名以上の超高齢者の死亡を経験していた。超高齢者のEOLケアでスタッフナースが意識していると回答者が捉えている項目は、『超高齢者が大切にしたいこと』が最も少なく、部署で強化したい項目は『アドバンスケアプランニング』が最も多かった。強化したいEOLケアのマネジメント能力は『超高齢者の特徴を踏まえた看護のできるチーム作り』が最も多かった。

 考察:回答者の認識から、スタッフナースにはEOLケアの根幹にある患者本人を主体として人生観や価値観を反映させるケアとしては浸透していない可能性があり、病棟師長は部署の特性に合わせたチーム作りのマネジメント能力を向上する必要があると考える。

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© 2025 順天堂大学医療看護学部
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