2025 年 22 巻 1 号 p. 43-48
要 旨
目的:妊娠中から子育て期にある女性の喫煙・禁煙・再喫煙・禁煙継続といった喫煙状況に関する経験を統合し、対象者のニーズを踏まえた支援について考察する。
方法:妊娠判明時から子育て中の女性の喫煙に関する思いや考え、禁煙・禁煙継続のための介入に対する対象者の思いや考えをインタビューした原著論文を医中誌Web版にて検索した。対象文献から目的に対応する記述を抽出し、コード、サブカテゴリ、カテゴリへと抽象化した。
結果:分析対象8文献から148コードを抽出して分析し、60のサブカテゴリ、12のカテゴリ【母としての身体的・精神的変化】【代理体験・過去の経験】【家族の喫煙】【家族や周囲の協力】【医療機関との関わり】【禁煙サポート】【喫煙欲求への対処】【禁煙メリットの知覚】【喫煙開始時期と理由】【喫煙に対する思い】【喫煙に関する知識の影響】【喫煙への身体的・精神的依存】に統合された。
考察:妊娠中から子育て期にある女性は喫煙していることに嫌悪感や罪悪感を持ち、医療職者にその状況を伝えないことがある。そのため、医療職者は関係性の構築と受け止めの姿勢の重要性を認識する必要がある。禁煙継続の称賛は禁煙サポートとなり、一定期間の禁煙が自信につながっていたため、自己肯定感を高める支援の必要性が示唆された。