2007 年 3 巻 1 号 p. 37-42
目的:外来看護ケアシステム開発の基礎資料を得るため,皮膚科外来小手術患者への看護サービス管理に関する実態を明らかにする。方法:全国の特定機能病院と100〜499床の皮膚科外来を有する病院,計176施設を対象に質問紙郵送調査を実施した。単純集計と許可病床数(500床以上/未満),一日小手術件数(5件以上/未満)でx2検定を行った。結果・考察:68施設(回収率38.6%) から回答が得られた。看護体制では,小手術担当看護師は7割以上で配置しておらず,診察室担当が兼務していた。業務分担では,手術内容に関わる業務は医師が行い,手術周辺業務は看護師が行う傾向にあった。救急時備品は,規模が大きい施設で整備している傾向にあるものの,安楽枕やナースコール等,苦痛や不安緩和のための備品は,規模や手術件数による差がなかった。質保証のツールでは,外来小手術患者看護マニュアルや患者説明資料は4割前後で整備され,規模や手術件数による差がなかった。これらから,他患者への看護と兼務できる場合にのみ外来小手術を実施し,必要に応じて看護ツールを使用する等,施設の状況にあわせて看護サービス管理を行っている実態がわかった。