2012 年 8 巻 2 号 p. 8-15
目的:産科病棟管理者と助産師がとらえる病院勤務助産師への継続教育の現状と課題を明らかにする。
対象及び方法:管理者3名、助産師3名に対し半構造化面接法によるインタビューを行った。分析はデータを内容の類似性に基づき分類、命名した。
結果:病院の継続教育は産科の位置づけに応じた段階的な実践能力習得の枠組みが共通していたが、教育の具体的な方法は施設により差があった。
管理者がとらえる継続教育の課題は【専門的な能力を高め助産師としてのアイデンティティ確立を促す教育の難しさ】【病院内の風土を改革する難しさ】【正常分娩とハイリスクケアの実践能力を習得する困難さ】【効果的な教育方法の未確立】【指導者側の能力不足】【世代間のギャップを受け入れて意思疎通を図ることが困難】【助産師基礎教育における学びが不十分】【院外研修の活用が不十分】の8カテゴリーであった。
助産師がとらえる継続教育の課題は【助産師の専門性に関する教育の不足】【個々に合わせた計画的な教育の難しさ】【病棟内での指導力の不足】【教育方法や評価が不十分】【助産に関わるより専門的な知識習得へのニード】【他施設の助産技術への関心】【院外研修の活用が不十分】の7カテゴリーであった。