日本家庭科教育学会大会・例会・セミナー研究発表要旨集
第46回日本家庭科教育学会大会
セッションID: 50
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第46回大会ポスターセッション
小学校家庭科における栄養学習プログラムの開発
*稲垣 明美矢野 由起
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抄録
1.研究の目的 子どもたちを取り巻く状況は多岐にわたり,様々な情報が氾濫している。食生活に関しては,栄養不足ではなく栄養の偏りや栄養過剰が問題になっている。このような時代にあって,小さい頃から食べるものに興味をもたせ,自分の健康は自分で管理できる自己管理能力を身に付けさせることが重要になってきている。そのためには,栄養について正しい知識をもつことも大事であろう。本年度より新学習指導要領が本格的に実施され,栄養学習においては,小学校で学ぶ内容が削減されたり,中学校に移行されたりした。学習指導要領は7回の改訂が行われてきているが,栄養学習についてみれば,今回の改訂はこれまでよりも大きな変更とみることができる。 
一方,これまでに調理に関する学習については,授業を通した実証的な研究が行われてきているが,栄養に関する学習については,授業を通してその内容そ方法を実証的に検討されたものはほとんどみられない。そこで本研究では,小学校における栄養学習を効果的に行うためのプログラムを開発することを目的とし,そのための基礎調査と授業実践を行った。
2.研究の方法
1)小学校4,5,6年生の食品認識調査 食品をどのように認識しているのか,また,それは発達段隋によってどのように異なるのかについて,家庭科学習前の4年生と学習中の5,6年生を対象に調査を行った。
(2)食生活に関わる実態調査  栄養,食事,自分の健康などについて,どのような考えや意識をもっているかを知るために小学校4,5,6年生を対象に調査を行った。
(3)小学校5年生における授業実践  ?対象:栗東市立治田東小学校5年生2クラス ?時期:2002年2月から3月。一つのクラスは研究者本人が,もう一つのクラスは学級担任が授業を実施した。?学習内容:題材名:「朝食の一品づくりにチャレンジしよう」 第1次 なぜ食べるのだろう(3時間) 第2次 いためる調理にチャレンジ(3時間)  第3次 朝食の一品を作ろう(2時間) 
3. 結果及び考察
(1) 食品の認識調査 
栄養素を意識した分け方は4年生0%,5年生12.3%,6年生13.7%,食品群を意識した分け方は4年生15.1%、5年生23.2%,6年生27.0%であった。 
(2) 食生活に関わる実態調査 朝食は70~80%の児童がきちんと食べていた。料理を作った経験は5,6年生に多く,また男子よりも女子の方が栄養についての知識が豊富であった。
(3) 授業実践から 導入で扱った「食品のなかま分け」には特に興味・関心を示し,教材・教具のおもしろさにひかれて楽しく学習できたと評価していた。また,「栄養」に関する学習では学習方法への関心が高く「調理」に関する学習では学習内容への関心が高いことが明らからになった。線結びによる授業分析の結果からは,今回の学習が「わかりやすかった」が42.9%で,好意的に受け止めていた。次に「おもしろかった」が多く19.7%で,題材に対する興味・関心が高かったことも明らかになった。また,この実践は「食品→栄養→調理→栄養→調理→家庭実践」といった流れで学習を行ったが,栄養→調理を2回繰り返すことの効果は大きかった。今後はさらに系統的なプログラム開発へと研究を進めていきたい。
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© 2003 日本家庭科教育学会
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