日本家政学会誌
Online ISSN : 1882-0352
Print ISSN : 0913-5227
ISSN-L : 0913-5227
Paper
地域在住虚弱高齢者の介護予防プログラムの検討
―運動器機能向上単独プログラムと運動器機能向上・栄養改善・口腔機能向上複合プログラムの改善効果―
森脇 弘子恒松 美輪子梯 正之
著者情報
ジャーナル フリー

2018 年 69 巻 7 号 p. 485-495

詳細
抄録

 運動器機能向上単独プログラムと運動器機能向上・栄養改善・口腔機能向上の複合プログラムによる健康・生活状況, 運動器機能, 栄養の改善効果について検討することを目的とした.

 調査対象者は地域在住, 虚弱な高齢者629名 (運動器機能向上プログラム327名, 運動器機能向上・栄養改善・口腔機能向上の複合プログラム302名) である. 両プログラムは3か月間にわたり, 週1回2時間, 計12回行った. プログラム前後に健康・生活状況, 運動器機能, 栄養について調査を行った.

 主観的健康観や意欲的な生活の状況を調べた健康・生活状況は両プログラムともに改善した. また, 運動器機能の男女の開眼片足立ち, 女性のTimed Up & Go Testは両プログラムともに改善した. 栄養については, 運動器機能向上・栄養改善・口腔機能向上の複合プログラムは食生活得点が改善したが, 運動器機能向上プログラムは変化がみられなかった.

 運動器機能向上・栄養改善・口腔機能向上の複合プログラムと運動器機能向上プログラムにより, 健康・生活状況, 運動器機能が改善した. さらに運動器機能向上・栄養改善・口腔機能向上の複合プログラムは食生活も改善し, 介護予防の効果が高いことが明らかになった.

著者関連情報
© 2018 一般社団法人 日本家政学会
次の記事
feedback
Top