本研究の目的は, 女子大学生を対象として, 調理への関わりが自立 (家庭生活自立と総合的自立) とどのように関連するか検討することである. そのために, 女子大学生917名に質問紙調査を行い, 対象者を4群 (栄養系自宅349名, 栄養系自宅外137名, 非栄養系自宅295名, 非栄養系自宅外136名) に分け, さらに各群を, 調理への志向性の程度により志向性高群と志向性低群に分けて, 自立との関連を分析した. その結果,家庭生活自立, 総合的自立とその下位尺度である協調的対人関係, 主体的自己, 並びに生活管理の各得点に差がみられ, 4群いずれにおいても志向性高群は志向性低群より高かった. また, パス解析により, 調理への志向性と調理頻度は, 家庭生活自立を介して総合的自立 (主体的自己, 生活管理, 協調的対人関係, 肯定的自己認識) へ影響することが示された. このことから, 女子大学生の調理への関わりは, 自立と正に関連することが考えられた.
本研究では, 青年後期における家庭生活に関わる未来展望と, ストレス状況下における自己調整能力との関連を, 大学生を対象として探索的に明らかにすることを目的とした. 特に, ストレス状況下における自己調整能力の内面的適応力 (対自的ER) と他者との関係における適応力 (対他的ER) のそれぞれが, 家庭生活に関わる未来展望とどのような関連をもつのかを検討し, 家庭生活に関わる未来展望の形成に向けた示唆を得ることとした. 本研究によって明らかになった知見は, 以下のとおりである.
「見通しの明確性」「希望・自信」「指向性」「渇望」といった未来展望の要素と, 対自的ER及び対他的ERの間に有意な正の相関が確認された. このことから, 家庭生活の未来像の形成には, ストレスや困難への柔軟な対応力が影響することが示唆された. 家族との協力経験が多い学生は, 将来もパートナーとの協調や対話を重視し, 円滑な関係を築きやすくなると考えられる. 一方, 「将来に向けた準備」と自己調整能力との間には関連が見られず, 大学生は家庭形成への具体的準備には消極的であることが示された. 今後, 家政教育にストレスマネジメントや対話を促進するプログラムを導入し, 未来展望の形成を支援することが求められる. また, 未来展望の形成プロセスや社会的要因の影響を明らかにするため, 異なるライフステージを対象とした研究の充実が必要である.
岡山県の玉柏・牟佐地区で栽培されているパクチー (岡山パクチー) は, 他県産や他国産と比較してビタミンC含量やミネラル含量が高いことを示してきた. さらに, 岡山パクチーの部位や調理法によるビタミンCの損失に違いについても報告してきた. そこで, 本研究ではビタミンCと同じく含量が高かったミネラルについても調理法によってどのように変動するのか, どの調理法がミネラルを損なうことなく摂取するのに適しているかについて検討を行った. 茎と根を「茹で」, 「炒め」, 「揚げ」の調理を行い, ミネラルの変動を検討した. その結果, 茎ではNaとKでは損失が見られたが, 他のミネラルでは, どの調理操作でも損失が少なかった. 根では茹で操作ですべてのミネラルの損失が見られた. 調理法では, 茎と根ともに炒め調理での損失が少なかった.