家政学雑誌
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各種糊材料の比較研究 (第2報)
糊付布の通気性と吸湿性について
橋本 保子
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1960 年 11 巻 4 号 p. 257-261

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抄録

各種糊材料の吸湿性及びR. H.と糊濃度による通気能の変化を測定した結果を要約すると、
1) R. H.80%までは各糊料ともに吸湿量の変化は少くR. H.80%~100%の間で急に増大する。特に米の粉・トラカントゴムの増加が著しく、生麩・コーンスターチ・デキストリンは増加が少い。
2) 糊付けによる通気減少率はセロゲンが目立って少く次がトラカントゴムで、澱粉糊の減少は比較的大きい。3) 湿度の増加により通気能は減少するが、R. H.50%~80%の問では各糊料ともに目立った差はなかった。
4) 糊の濃度による通気減少率はトラカントゴム・馬鈴薯が比較的多く、タピオカ・米の粉が少いが一般に著しい差はない。
以上のことを総括してセロゲンは澱粉糊より糊付けによる通気の減少が少く、又吸湿も比較的少くて糊材料として優れていることがわかった。

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