家政学雑誌
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洗濯の研究 (第1報)
特にビルダー効果について
藤井 清子今岡 小夜子
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1960 年 11 巻 4 号 p. 261-265

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抄録

(1) 洗剤を使って洗浄を行った場合は0.1%で、石けんを使って洗浄を行った場合は0.3%でそれぞれ洗浄率は最大値を示し、それ以上濃度が高くなると洗浄率は低下する。その際再汚染率は洗浄率と反対の傾向を示す。
(2) 硫酸ナトリウム単独で洗浄を行う場合は、洗浄率が非常に小さく、且つ再汚染率は大きいが、これを洗剤・石けんに併用する場合、洗剤・石けんを単独に使用する場合よりも、低濃度で洗浄率の最大値に逮し、再汚染率の最小値に達することができる。その添加濃度は洗剤・石けんの濃度が高くなるに従い低くなる傾向が見られる。しかし、洗浄率の最大値は洗剤・石けんを単独に使用した場合よりも上廻ることはない。尚その上、洗剤・石けん濃度が0.3%以上になると、硫酸ナトリウムの添加により却って洗浄率は急激に低下し、再汚染率は上昇する。
(3) C.M.C.単独で洗浄を行う場合は、濃度によって洗浄率は徐々に上昇し、再汚染率は徐々に低下する。之を洗剤・石けんに併用する場合は、それらの低濃度で洗浄率の最大値に達することができることは、硫酸ナトリウムの場合とやや傾向を同じくするが、洗浄率の最大値は洗剤・石けんを単独に使用した場合よりも3~4%上昇する。しかもこの場合、洗剤・石けん或いはC.M.C.濃度を高くしても洗浄率の急激な低下は認められない。
再汚染は何れの場合も0.1%で最小値に達しそれ以上加えても殆んど変化することがない。

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