抄録
前報(その1)の分類の(2)の項目について妥当性を検討するために、同じ調査対象の総数330世帯に所属する1552人の家族について家事労働担当状態を集計し、以下に述べる知見を得た。
[第I部]
1. 前報の家族が担当すると想定した作業種目については明らかに家族が主として担当していることを確認し、更に家族が他の担当者に協力する種目を新たに検出した。
2. 家族の協力程度は対象の生活条件によって多少の差がみられた。
3. 女中の有無は家族の協力程度に影響を及ぼすが、作業種目によっては影響を受けないものもある。
4. 主婦以外の家族を4構成位に分けてその協力状態を比較すると女子>祖母>主人>男子となった。
[第II部]
5. 女子家族を年齢層別に解析した結果、中学生>無職成人>有職成人・大学・高校生>小学生・幼児となり、中でも無職成人の協力種目は主婦に通ずるものがあることを認めた。
6. 祖母及び主人の協力種目について、夫々の特徴を掴んだ。
7. 男子家族の協力は全体に非常に少いが、家族構成の中に女子家族も含まれた場合に、男子の協力種目が変動を受けるという気配を僅か乍ら感じた。