家政学雑誌
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焼き物調理に関する研究 (第1報)
板焼き“ホットケーキ”について
山崎 清子
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1961 年 12 巻 5 号 p. 395-402

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抄録

(1) 電気自動ホットプレート、鉄板、フライパンを2個重ねたものは、熱容量が大きく温度変化は比較的緩漫である。
(2) ホットケーキは加熱器具の焼き面が高温のときに焼くよりも、130~140℃ぐらいのときに生地を流し、180℃をもって焼き上がりとするほうが間違なくよく焼ける。
(3) 膨化率は130℃から180℃までの範囲の焼き温度では、温度の高低によってほとんど変化がない。
(4) ホットケーキに適度の焦げ色がつく温度は160~180℃である。
(5) 材料配合については、各材料が基準量以下のものは概して製品の成績がよくない。
(6) ホットケーキの膨化効果に顕著に影響するものはB.P.のほか卵の量の多少で、量の多いほうが膨化が大である。砂糖は15gが最も膨化し、30gになると減少する。一般に行われるように、あとでシロップをかけて甘みを補うほうが合理的である。
脂肪は添加すると膨化を減殺するが、味と口ざわりをよくする上には大きな効果がある。その使用量の増加によって膨化率が特に減少することはない。成績の上から10gぐらいが適量である。
(7) ホットケーキの生地の流動状態は、小麦粉に水を120~130%加えたくらいがよく、砂糖、脂肪、卵は換水値により、牛乳はその水分を考えて割り出すと基準量では牛乳100~110ccくらいが適量である。
(8) 生地は混合直後に焼くのが最もよい。混合後20minで膨化率は直後のものの87%に下がるが、生地の広がり方にはほとんど変りがないから、実用上はこの時間の範囲ならば一時に混ぜ合わせておいてもよい。

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