家政学雑誌
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扇風機の住宅衛生学的研究
塵埃の飛散と涼しさについて (第1報) 居室における風速分布について
金子 幸子
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1965 年 16 巻 6 号 p. 363-373

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抄録
1. 扇風機の羽根直前では、廻転速度の如何にかかわらず中心点の部位の風速が最も強く、遠距離になるにつれて、風はひろがり、風速は弱くなる。
2. 横軸では、廻転速度3段階ともに、扇風機の左側より右側への風の流れが顕著にみられ、左側に比して右側の風速が強い。縦軸では、上下ほぼ対称に風がひろがるが、上部の風速が下部よりもやや強い。
3. 扇風機の軸中心点を通る縦軸と横軸の線上で、中心点より上下と左右に、10cmの間隔で半径60cmまでの測定位置毎に、羽根前方2mまでの距離における50cm 間隔の各垂直面平均風速をみると、中心点の風速が最も強く、中心点より離れた外側の位置程、風速は弱くなる。
4. 廻転速度(I)、(II)、(III)のそれぞれの風速の差は、羽根前方1.0m位の距離までは、その順位が明確であるが、遠距離になるにつれてその差は縮まる。
5. 風車型風速計による測定では、サーミスター風速計による測定と比較して、最大風速は、縦軸の場合の5m/secで中心点より10cm離れた高さの位置であり、全般的に、羽根直前の局所的な強い風速は表われず、横軸における右側への風の流れも余り明確ではない。
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