家政学雑誌
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16 巻, 6 号
選択された号の論文の14件中1~14を表示しています
  • ほうれん草カルシウムの利用効率について
    飯盛 キヨ
    1965 年 16 巻 6 号 p. 319-321
    発行日: 1965/12/20
    公開日: 2010/03/09
    ジャーナル フリー
    (1) ほうれん草の葉身部、葉柄部中のCaをその形態別に化学的に検討し、あわせて胃中のモデル実験をなし、Caの溶出試験を行なった。
    (2) ほうれん草のCa結合は葉身部の方は水や弱酸にとけるCaが少なく全Caの約10%含まれ, 強酸にとけるCaが大部分であった。これに対して葉柄部は水及び弱酸にとけるCaは約60%となり、葉身部に比べて難溶性Caが少なかった。
    (3) 胃の中の状態にならって人工的に溶出試験を行なってみると、胃で溶出するCaは葉身部で65%、葉柄部で85%位と推定される。勿論、溶出されたCaが全部吸収されるとは思わないけれどまず胃液で溶出されなければ問題にならない。溶出されたCaの吸収については更に検討が必要だと思う。
    (4) 胃で溶出するCaは、アルコール、水、アルカり及び弱酸に可溶形態のものと、強酸を用いなければ溶出しなかった難溶性Caの一部が溶出した。この結果より前報の寒天及びのりの溶出実験の場合と異なり、ほうれん草の蓚酸Caは一部胃の塩酸で溶出するのではないかと思われる。
  • 卵白アルブミンによるB1保護作用機構
    和田 せつ, 鈴木 久子
    1965 年 16 巻 6 号 p. 322-325
    発行日: 1965/12/20
    公開日: 2010/03/09
    ジャーナル フリー
  • ビタミンB1保護因子について (第3報)
    和田 せつ, 鈴木 久子
    1965 年 16 巻 6 号 p. 326-328
    発行日: 1965/12/20
    公開日: 2010/03/09
    ジャーナル フリー
  • 諸条件下でのアミノ酸配糖体の形成について
    槇 光章
    1965 年 16 巻 6 号 p. 329-332
    発行日: 1965/12/20
    公開日: 2010/03/09
    ジャーナル フリー
  • キク花よりのグルタミン酸ラムノシドの分離
    槇 光章
    1965 年 16 巻 6 号 p. 333-334
    発行日: 1965/12/20
    公開日: 2010/03/09
    ジャーナル フリー
  • 煮出汁の研究 (第4報)
    吉松 藤子, 沢田 祐子
    1965 年 16 巻 6 号 p. 335-337
    発行日: 1965/12/20
    公開日: 2010/03/09
    ジャーナル フリー
    鰹節を水の2%使用した場合、煮出汁中への5'-リボヌクレオチドの浸出量について次のような結論が得られた。
    1) 沸騰水中に鰹節を入れて竜、水中に入れて直ちに加熱しても、水浸30分後に加熱して竜浸出量には差が認められなかった。従って本条件下では浸水時間による影響はないものと思われる。
    2) 沸騰時間は1分でも5分でも浸出量に差はなく、30秒と60秒との問にも差は認められないようである。従って沸騰時間は30秒以上であれば浸出量には影響しない。
    3) 90℃から沸騰までの問で加熱時間を一定にして加熱温度を変えても、また温度を一定にして加熱時間を変えて竜浸出量には差が認められない。
    4) 5'-リボヌクレオチドは60℃で1分問加熱すれば100%近く浸出する。40℃でも80%の浸出率を示し、かなり低温でも浸出は良好であることがわかった。
    5) 同一品質の鰹節でも5'-リボヌクレオチドの含有量にはかなりの差異があり、従って煮出汁中への浸出量にも差のあることが認められた。
  • 松元 文子, 風間 文子
    1965 年 16 巻 6 号 p. 338-341
    発行日: 1965/12/20
    公開日: 2010/03/09
    ジャーナル フリー
    1. 寒天濃度と砂糖濃度を組み合わせて25種類の寒天ゼリーを作り、それぞれのかたさを測定し、味覚テストを行なった。かたさを3段階に大別し、それに味覚テストの結果を当てはめると最もやわらかいグループに属するゼリーでは30%の砂糖量、次のグループが40%、最もかたいグループに属するゼリーでは60%の砂糖量を嗜好人数%のピークとして、それぞれ特微のある数値を以て、砂糖濃度に対する嗜好度を示し、はじめに予期したように寒天ゼリーの嗜好の上でかたさと甘さとの間に相関々係のあることがわかった。
    淡雪かんではやわらかい場合は30%の砂糖濃度を、かたい場合では50%の砂糖濃度を好みのピークとして、それぞれ特有の数値を示し、寒天ゼリーの場合と同じような結論を得た。これらのことから、この種の調理では予想されるかたさに調和する砂糖の使用量を決めたり、また使用された砂糖量から製品の煮つめ加減を算出することが可能である。試みに日常単食される主な甘味食物を砂糖含量(%)の順に列挙してみると、氷砂糖(100)、金玉糖(60~70)、ねり羊かん(50~60)、ねり切り(30~40)、アイスクリーム(12~18)で、この順序はこれらの食物のかたさの順序でもある。 ( ) 数字はこれらの有名メーカーの処方や著者らが教室で扱っている材料配合から算出したものである。
    2.寒天ゼリーでは甘さの如何にかかわらず1%の寒天濃度が好まれ、淡雪かんでは1.5%の寒天濃度が好まれる。この結果は山崎の報告とほとんど一致している。
    3.市販のねり羊かん、水羊かんのかたさと甘さの関係も、寒天ゼリーの場合と同じ傾向であった。本実験における測定の範囲内ではかなり近似している性格をもつ市販品4種の価格の間には相当の開きがあった。
  • 松元 文子, 島田 淳子
    1965 年 16 巻 6 号 p. 342-345
    発行日: 1965/12/20
    公開日: 2010/03/09
    ジャーナル フリー
    油脂の性状と“軽い又は重い感じ”との関係について検討した結果、次の事が認められた。
    1. 不けん化物は1%添加で重い感じになるが、フィトステロール・コレステロール・セチルアルコールはこれに関与していない。
    2. 遊離脂肪酸は3%添加では味覚に影響を与えず、5%添加では味の違いは認められたが嗜好については有意差が認められず、7%添加ではまずくなる事が認められたが、いずれの検査でも軽い重いについては有意差が認められなかった。
    3. ごま油の匂いは必ずしも重い感じを与えるものでない事が認められた。
  • 添加される強力粉並びに大豆蛋白粉の生地への影響
    定森 許江
    1965 年 16 巻 6 号 p. 346-349
    発行日: 1965/12/20
    公開日: 2010/03/09
    ジャーナル フリー
    1. 中力粉(対照)と中力粉に強力粉を添加した生地をファリノグラムで比較すると、添加量の増加にしたがって生地形成に多くの時間を要し、生地の均質化はおそい。生地の安定度は添加量の増加にしたがって、その度を増す。弾性度、伸びは10%添加の生地が最大である。吸水率、バロリメーター価は添加量の増加にしたがって大きくなる。
    2. 中力粉(対照)と中力粉に大豆蛋白粉を添加した生地をファリノグラムで比較すると、添加量の増加にしたがって生地形成に要する時間は短くなり、生地の均質化は早い。生地安定度は添加量の増加にしたがって、その度を増す。弾性度、伸びは1%添加の生地が最大である。吸水率、バロリメーター価は添加量の増加にしたがって大きくなる。
    3. 中力粉(対照)と中力粉に強力粉を添加した生地をエキステンソグラムで比較すると、添加量の増加にしたがって伸長抵抗は大きくなる。時間の影響に関しては'ねかし'時間が長くなるにつれて大きくなる。伸長度は添加量の増加にしたがって大きくなるが、'ねかし'時間が長くなると小さくなる。係状係数は、添加量の増加、'ねかし'時間の経過にしたがって大きくなる。
    4.中力粉(対照)と中力粉に大豆蛋白粉を添加した生地をエキステンソグラムで比較すると、添加量が増加するにしたがって、伸長抵抗、伸長度は小さくなる。時間の影響に関しては、'ねかし'時間が長いと大きく、90分に於ては最も大きい。形状係数は添加によって僅かに大きくなり、'ねかし'時間との関係では90分の時に最も大きい。
  • 名倉 光雄, 田中 宏
    1965 年 16 巻 6 号 p. 350-352
    発行日: 1965/12/20
    公開日: 2010/03/09
    ジャーナル フリー
  • 佐藤 貞子, 岩瀬 ひろ, 益田 貴美子
    1965 年 16 巻 6 号 p. 353-356
    発行日: 1965/12/20
    公開日: 2010/03/09
    ジャーナル フリー
  • 渡辺 みよ子, 砂田 孝子, 野々山 晴子, 真鍋 信子, 北村 君
    1965 年 16 巻 6 号 p. 357-362
    発行日: 1965/12/20
    公開日: 2010/03/11
    ジャーナル フリー
    合理的なアイロンがけ姿勢追求のために、一般家庭における実態調査、作業のフイルム分析を行ない、併わせて北村のアイロン自体の重みと適温のみでかけられるアイロンがけの研究にひき続き、適正作業面高を決定するため、座位・椅座位・立位におけるひっぱり力、酸素需要量などを測定し、以下の結果を得た。
    1. 一般家庭の主婦のアイロンがけ作業は大体1週間に3~4回、1回当たりの所要時間は30~40分間で、座位姿勢が圧倒的に多い。
    2. アイロンがけ作業はアイロンをかける動作の他に、その他の動作が多く含まれ、かける動作の中では身体前面で右から左方へひっぱる動作が中心となっている。
    3. 座位・椅座位・立位姿勢における至適作業面高を、ひっぱり力即ち、加圧力を必要としないアイロンがけ作業の点からみると、座位では30cm、椅座位では60cm、立位では80cmが良好でありこれは加圧力を必要とするアイロンがけ作業の至適作業台寸法より10cm程高い。
    4. 合理的なアイロンがけ作業を酸素需要量、上肢の最大作業域、主観的やりやすさから総合的に評価すると、立位姿勢・作業台高80cmは他に比べて酸素需要量は多いが、上肢の最大作業域も大きく、いずれの被験者も、もっともやりやすいと答えた。
  • 塵埃の飛散と涼しさについて (第1報) 居室における風速分布について
    金子 幸子
    1965 年 16 巻 6 号 p. 363-373
    発行日: 1965/12/20
    公開日: 2010/03/09
    ジャーナル フリー
    1. 扇風機の羽根直前では、廻転速度の如何にかかわらず中心点の部位の風速が最も強く、遠距離になるにつれて、風はひろがり、風速は弱くなる。
    2. 横軸では、廻転速度3段階ともに、扇風機の左側より右側への風の流れが顕著にみられ、左側に比して右側の風速が強い。縦軸では、上下ほぼ対称に風がひろがるが、上部の風速が下部よりもやや強い。
    3. 扇風機の軸中心点を通る縦軸と横軸の線上で、中心点より上下と左右に、10cmの間隔で半径60cmまでの測定位置毎に、羽根前方2mまでの距離における50cm 間隔の各垂直面平均風速をみると、中心点の風速が最も強く、中心点より離れた外側の位置程、風速は弱くなる。
    4. 廻転速度(I)、(II)、(III)のそれぞれの風速の差は、羽根前方1.0m位の距離までは、その順位が明確であるが、遠距離になるにつれてその差は縮まる。
    5. 風車型風速計による測定では、サーミスター風速計による測定と比較して、最大風速は、縦軸の場合の5m/secで中心点より10cm離れた高さの位置であり、全般的に、羽根直前の局所的な強い風速は表われず、横軸における右側への風の流れも余り明確ではない。
  • 塵埃の飛散と涼しさについて (第2報) 広い室における風速分布について
    金子 幸子
    1965 年 16 巻 6 号 p. 368-373
    発行日: 1965/12/20
    公開日: 2010/03/09
    ジャーナル フリー
    1. 広い室内において、軸中心の高さを1.5mにした場合の風速分布は、廻転速度に関係なく、扇風機の羽根周辺から吸込まれた空気の流れは羽根直前においてしぼられ、約30cm前方より次第にひろがって行く。羽根直前では、中心点より上下左右に10cm離れた部分が最大風速を示しているが、遠距離になるにつれて中心部の風速が大になり、全体的に風速は弱まる。このことは、軸中心線を基線として、上下左右ほぼ対称である。
    2. 扇風機の軸中心点を通る縦軸と横軸の線上で、中心点より上下左右に10cmの間隔で半径60cmまでの測定位置毎に、風速の距離による変化をみると、羽根前方3mの距離までは風速値の変動が顕著であり、また、各測定位置による風速の差が大であるが、3mより遠距離では各測定位置の風速とも、1m/sec前後となり、しかも距離による変動は見られない。
    羽根前方10cm~5mの距離までの各垂直面平均風速は、中心点より10cm離れた位置の風速が最も強く、次が中心点の位置であり、それから次第に中心点を離れた外側程、風速は弱くなっている。
    3. 廻転速度3段階の風速の差は、羽根前方1.0mの距離までは顕著にみられるが、遠距離になるにつれて、三者の差は縮まる。
    4. 軸中心の高さが53cmの場合には、1.5mの場合と異なり、横軸において、扇風機の左側より右側の方向への風の流れが明確にみられ、6畳間の風速分布と同様の傾向を示す。ただし、最大風速を示す位置は、6畳間では中心点であるのに対し、広い室では、中心点より10cm離れた位置である。
    5. 軸中心の高さを53cmとし、広い室において、扇風機にScreenを近づけ、6畳間の側壁と同条件にして風速を測定した場合には、Screenのない場合よりも、横軸における右側への風の流れは、より顕著になり、6畳間とほぼ同様になる。ただし、最大風速を示す位置は、中心点より10cm離れた部分で6畳問の場合とは異なる。
    6. 広い室において、軸中心の高さを53cmにした場合と、6畳間の風速分布を比較すると、広い室の場合は一般に風速が弱い。しかしScreenを近づけて測定した場合には、横軸の風速が強くなり、特に右側の風速は6畳間の右側より竜強い。
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