家政学雑誌
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野菜中の配糖体に関する研究 (第9報)
青カビよりアミノ酸配糖体分解酵素の分離について
槇 光章
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1966 年 17 巻 3 号 p. 145-147

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抄録

Penicimmium gmaucumの麩麹抽出液からアルギニングルコシド及びグルタミン酸ラムノシドのアミノ酸配糖体を分解する酵素を分離精製し、その酵素的性質と反応生産物を検索した結果次の如く要約できる。
(1) アルギニングルコシド及びグルタミン酸ラムノシドを分解する酵素、アミノ酸グルコシダーゼ及びアミノ酸ラムノシダーゼは全く別性質のものである。
(2) アミノ酸グルコシダーゼの作用至適pHは5.5付近、作用温度は50QC付近であり、アミノ酸ラムノシダーゼの作用至適pHは4.5付近、作用温度は60QC付近であった。
(3) アミノ酸グルコシダーゼの安定範囲はpH5~8であり、アミノ酸ラムノシダーゼはpH4~8であり、pH5、5分間処理でアミノ酸グルコシダーゼは55℃まで、アミノ酸ラムノシダーゼは65℃まで安定であった。
(4) アミノ酸グルコシダーゼはグルコースのCHO基とNH2基の橋結合を、アミノ酸ラムノシダーゼはラムノースのCHO基とNH2基の橋結合を特有的に分解する酵素であると推定した。

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