家政学雑誌
Online ISSN : 1884-7870
Print ISSN : 0449-9069
ISSN-L : 0449-9069
揚げ物に関する研究 (第4報)
食品成分添加の影響について
吉松 藤子浜野 美代子松元 文子
著者情報
ジャーナル フリー

1967 年 18 巻 3 号 p. 163-166

詳細
抄録

添加成分及び揚げ種の揚げ油の比粘度及び色の変化に及ぼす影響は次の通りである。
(1) 比粘度の変化はこめ油よりやし油が大きく、こめ油では澱粉、MSG、醤油、砂糖の影響が大きく、やし油では醤油、食塩、澱粉、5'-IMPの影響が他の成分より大きいことが明らかとなった。揚げ種による変化はこめ油、やし油共馬鈴薯の方が卵白豆腐より影響が大きかった。
(2) 色の変化は比粘度とは逆にやし油よりこめ油の方が大きく成分としては、こめ油では澱粉、MSG、砂糖、やし油では醤油、食塩、澱粉の影響が大であった。揚げ種による変化は、こめ油では馬鈴薯の方が、やし油では卵白豆腐の方がそれぞれ甚だしかった。この結果から色に及ぼす影響は単独成分よりも揚げ種の方が大であることが明らかになった。
(3) 揚げ油の官能テストについては、添加食品成分、加熱時間の如何に拘らず、こめ油、やし油いずれも前報の結果と一致した。又いずれの油についてもTBA値と比粘度の間に比例的な関係のある事を認めた。

著者関連情報
© 社団法人日本家政学会
前の記事 次の記事
feedback
Top