家政学雑誌
Online ISSN : 1884-7870
Print ISSN : 0449-9069
ISSN-L : 0449-9069
団子の物理性について (第 1 報)
粳米粉と糯米粉の配合比と団子の粘弾性との関係
渋谷 歌子
著者情報
ジャーナル フリー

1968 年 19 巻 4 号 p. 253-257

詳細
抄録

団子の原料である粳米粉と糯米粉の配合割合と出来た団子の粘弾性との関係を知るために行なった実験の結果である。
1) 粉に添加する水量は出来た団子の性質に影響をあたえる。調製操作、粘弾性の測定値、団子の食品などから粉100gに対して水80mlの添加が適当と認めた。
2) 団子の粘弾性は粳米粉と糯米粉との配合割合により、またその時間経過により影響される。粳米粉の多いものほど高い値を、糯米粉の多いものほど低い値を示し時間経過とともに高い値を示した。また測定値の時間経過の変化の仕方は粳米粉の多いものほど大きく、糯米粉の多いものほど小さかった。
3) 粘弾性測定値と団子の食味としての硬さと軟らかさ、弾力と粘りとは極めて密接な関係があることが認められ団子調製に際して粳米粉と糯米粉との配合比率は25 : 75あるいは50 : 50が最も適当と考えられる。
4) 配合した粉のアミログラフの粘性値とゼリー強度計による測定値とは、その傾向においてよく一致していた。
5) 各粉のアミログラフ上の老化率及び離水試験による老化率は糯米粉の多いものが高い値を示して、アミログラフの粘性値、ゼリー強度計の測定値とは逆の結果となった。

著者関連情報
© 社団法人日本家政学会
前の記事 次の記事
feedback
Top