家政学雑誌
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コンニャクの性状および加工に関する研究 (第4報)
コンニャクの物理的性状および嗜好について
岸田 典子沖増 哲
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1968 年 19 巻 6 号 p. 406-412

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抄録
各種精粉から調製したコンニャクの物理的性質を、岡田式ゼリー強度試験器によって測定し、いっぽう、それらの性質を官能的に評価し、つぎのような結果がえられた。
(1) コンニャクの物理的性質は、ゼリー強度、凹みの大きさ、軟らかさ、歯切れのよさおよび復元率によってあらわされる。
(2) 粘度法によって判定された精粉の優劣が、コンニャクの物理的性質にもあらわれる。
(3) 精粉濃度とゼリー強度との間には、高分子物質溶液の粘度一濃度関係とよくにた関係が認められる。
(4) コンニャクを加熱した場合、加熱時間が長く、温度が高いものが、加熱時間が短かく、温度が低いものよりゼリー強度が大きく、軟らかさが小さい。
(5) 調味液を用いて加熱した場合、食塩濃度の増加はゼリー強度を増し軟らかさを減少させるが、酢酸ではこの逆である。しょ糖ではこれらの性質に無関係である。
(6) ゼリー強度と軟らかさとは、指数関係にある。
(7) 嗜好調査の結果、ゼリー強度が80g以上、凹みの大きさが30mm以上、軟らかさが0.25~0.50mm/g、歯切れのよさが6.0以上のコンニャクが好まれる。
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