抄録
ペプシン活性に対するL-アスコルビン酸の作用をとくに自動酸化過程に生起されるフリーラジカル生成系を主体に検討し、次の結果を得た。
1. 過酸化水素の共存下においてL-アスコルビン酸は著しく酵素活性を阻害する。
2. 遷移金属Cu2+、Fe2+およびFe3+により酵素活性は軽度に阻害されるが、これらの金属の共存下においてアスコルビン酸は酵素活性を著しく阻害する。
3. フェントン (Fe2++H2O2) 系により酵素活性は阻害されるが、とくにフェントン系の共存下においてアスコルビン酸は酵素活性を著しく阻害する。
4. Fe2+-EDTA系の共存下にアスコルビン酸は著しく酵素活性を阻害する。