1970 年 21 巻 3 号 p. 221-225
以上、本報の調査結果をまとめると、
1. 父親の職業を4大職業群別にすると、技能工が30%以上を占め、ついで〈専門、管理、事務、運輸通信〉〈農林漁業〉〈販売、サービス〉の順で20~25%あり、全体の比率は全国統計に酷似していた。
2. 祖父と父親のあいだの職業移動を開放性係数であらわすと、農林漁業のy=0.24が一番低い。専門、管理、事務、運輸通信は比較的高くy=0.26であった。
3. 父親の就職理由のうち、目立って多いのは〈農林漁業〉の “家業であったから” の60%である。
4. 学歴は祖父、父親とも〈専門、管理、事務、運輸通信〉が高く、またその学歴の上昇度も著しかった。
5. 各職業を平均すると、祖父の代の経歴は小学校53%、高等小学校33%、中学校10%であったが、父の代は小学校6%、高等小学校53%、中学校26%で、学歴の上昇が著しい。
6. 父親の住所の移動の著しいのは〈専門、管理、事務、運輸通信〉で、次いで〈技能工、生産工程〉〈販売、サービス〉の順で、〈農林漁業〉は移動が少なかった。