家政学雑誌
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浜納豆に関する研究 (第2報)
製品中の微生物
近 雅代伊藤 寛
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1974 年 25 巻 1 号 p. 21-26

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抄録

種麹を用いる “ヤマヤ” “法林寺” の製造方法と, 天然のムロで製麹する “大福寺” の方法の違いによる微生物の分布を比較し, 分離した糸状菌の酵素活性をしらべた.
1. ヤマヤの糸状菌, 法林寺の乳酸菌が少ないこと, 大福寺に接合菌が多かったこと以外は, 製造方法のちがいによる分布のちがいは, ほとんど認められなかった.また, 浜納豆の表面と内部におけるちがいも認められなかった.
2. 量的に多く, 製造に主な役割を果たしていると考えられる微生物は, 糸状菌のA. oryzae型と乳酸菌のストレプトコッカス型, ペディオコッカス型であった.
3. 分離糸状菌のうち, A. oryzae型は, プロテアーゼおよびアミラーゼ活性ともに, 他の接合菌型およびA. niger型に比べて強力であった.
4. A. oryzae型のうちから, 胞子の着生が早く, 菌そうの緑色が濃く, プロテアーゼ活性は強いが, アミラーゼ活性の弱い菌株が得られた.

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