家政学雑誌
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澱粉の調理性についての研究 (第5報)
“溜菜” における澱粉の効用
寺元 芳子
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1974 年 25 巻 3 号 p. 188-194

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抄録

1) “溜菜” のように汁液に澱粉を加え濃度をつけることは油の乳化を安定にし, 油濃さを減少させる.
2) 汁液中のスープストック, しょうゆ, しょうゆ+食酢は油をよく分散する.
3) 澱粉濃度は3%よりも4%, 加熱時間は3分よりも5分の方が乳化は安定する.すなわち, 澱粉の粘度が高く油滴の粒度が小さいほど乳化安定の効果がある.
4) 澱粉, 食酢は他の調味料とともに早めに加えた方が油滴の粒度が小さく, 乳化の安定度も大きい.
5) 澱粉を最後に加える場合でも, 食酢を先に加えると油はよく分散する.

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