家政学雑誌
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加熱調理における醤油の食品のテクスチャーに及ぼす影響 (第1報)
中谷 圭子松元 文子桜井 芳人
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1974 年 25 巻 3 号 p. 195-200

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抄録
醤油が加熱調理品をかたくする現象を官能検査と物理的測定 (カードメーター) によって確かめ, その原因を追求した.その結果はつぎのように要約される.
1) 醤油水と食塩水とで加熱処理した大豆, 大根およびじゃがいもはいずれも食塩濃度18g/dlまでの範囲で醤油水処理の方が, 食塩水処理のものよりかたくなった.
2) 醤油中の主成分 (食塩, アミノ酸および有機酸) の組合わせによって調製した溶液で大豆を加熱処理すると, そのかたさは (アミノ酸+有機酸) 液>有機酸液>アミノ酸液> (食塩+アミノ酸+有機酸) 液>水> (食塩+有機酸) 液>醤油水> (食塩+アミノ酸) 液>食塩水であった。これにより, 加熱調理の際食塩はやわらかくする性質を, また有機酸およびアミノ酸はかたくする性質があり, 有機酸はアミノ酸より大きな影響を与えると考えられる.
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