家政学雑誌
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ワラビおよびクズ澱粉の理化学性
青木 みか谷 由美子
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1975 年 26 巻 4 号 p. 249-255

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抄録
1) ワラビおよびクズ澱粉の理化学性を明らかにする目的で糊化性, 粘性, 膨化性, ヨウ素親和性ならびに澱粉内部演分の含有量と脂肪酸組成をしらべ, ジャガイモおよびトウモロコシ澱粉とそれらの諸性状について比較した.
2) 4種の澱粉においてヨウ素親和性は顕著な差を認めず, アミログラムとプラストグラムの糊化曲線ではワラビ澱粉が糊化温度低く粘性高くバレイショ澱粉に似る反面クズ澱粉はトウモロコシ澱粉に近い傾向をみた.膨化力もワラビ, ジャガイモ澱粉に比しトウモロコシ, クズ澱粉は劣ることを認めた.
3) アルカリ処理によりジャガイモ, ワラビ, クズ, トウモロコシ澱粉の順に糊化し難いが, 糊化可能なアルカリの濃度差を利用して混在する2種の澱粉の鑑別がなし得る.
4) 澱粉の内部油分はトウモロコシに多く, ジャガイモ, ワラビ, クズなど地下澱粉に少い.またこれらの脂肪酸組成はいずれにもパルミチン酸リノール酸, オレイン酸を多く認めた.
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