家政学雑誌
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女子学生服に対するイメージ
-テーラード・スーツ型-
松浦 道子藤井 真理
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1978 年 29 巻 2 号 p. 94-100

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抄録

女子学生服のテーラード・スーツ型と日常よく着用している服装について, 中学生と高校生およびその父兄を対象としてSD法によりイメージを計量化し, 因子分析によってイメージ用語間の関係を検討するとともに, 女子学生服に対する嗜好に及ぼす影響を明らかにした.本研究により得られた結果は次のとおりである.
1) 女子学生服に対しては, 性別, 年齢差に関係なく象徴性に関するイメージにおいてプラスの得点が高かった.しかし, イメージのプロフィールから中学生と父兄に比べ, 高校生では全体的にマイナスのイメージ傾向にあった.さらに, 女子は男子に比べてムード的イメージや機能的イメージにおいて得点が低かった.このように年齢差や性差がはっきりと認められた.
2) 服装間のプロフィールの類似性について, 女子学生服はワンピースとジャケット・スカートと類似しており, Gパン・Tシャツは類似性が低かった.
3) 因子分析の結果, 女子学生服のイメージは機能的因子, 象徴的・容儀的因子, 外観的因子, 画一的因子, 顕示的因子, 経済的因子, 自主的因子などの組合せにより6因子にまとめられた.なかでも機能的因子, 象徴的・容儀的因子, 外観的因子の3因子が男女ともそれぞれ大きな寄与率を示した.
4) 女子学生服に対する好き嫌いの度合に大きく影響するのは外観的因子であり, 逆にほとんど影響がなかったのは象徴的・容儀的因子であった.

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