抄録
甘藷を加熱調理し, その際のVCの変化をしらべた.
1) 蒸し加熱, 電子レンジ加熱の場合にはVCはほとんど変化せず, 焙焼加熱の場合にのみVCの減少がみられ総VCの残存率は約40~60%であった.
2) 蒸し加熱および焙焼加熱の場合, 長時間加熱を続けた場合でもVC量にはほとんど変化がみられなかった.
3) 焙焼加熱の場合, 器内温度170℃で40分焼いた場合より140℃で100分焼いた場合の方がVCの著しい損失がみられた.これらの結果, 高温, 長時間加熱がVC分解の要因になっているのてはないことを示している.
4) 焙焼加熱の場合, 中心部の温度が60~70℃付近に長く保たれる条件で加熱されたとぎVCの減少が著しかった.この場合, 酸化型ビタミンCはいったん増加し, 次いで減少していき還元型ビタミンCが酸化型ビタミンCを経て分解されていくことを示している.
5) 以上のことから, 加熱調理の際のVCの減少は, 高温による熱分解ではなく, ビタミンC酸化酵素が作用していることが示唆された.