家政学雑誌
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ルーに関する研究 (第1報)
調製過程の流動特性について
四宮 陽子島田 淳子吉松 藤子
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1978 年 29 巻 4 号 p. 231-234

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抄録

ルーの材料であるバターと小麦粉の混合物の調製中の流動特性の変化について調べ, さらに調製操作との関係を検討し次の結果を得た.
1) ルーの材料混合物は調製中に非ニュートン流体から徐々にニュートン流体に近づいた.流動特性を見るとレオペクシー的な現象からチクソトピー的な現象を経てニュートン流体に近づいており, 調製中に混合物の分散状態が変化することが推測された.また, この結果は実際の調理においてルーの材料混合物が調製中に性状を変化させてサラリと流動的になる事実とも一致していた.
2) 調製操作の攪拌の有無は流動特性の変化に大きく影響し, 攪拌が無いと流動特性が変化せず混合物の温度上昇は非常に不均一であった.
3) 攪絆速度は流動特性変化の過程にあまり影響しなかった.
4) 今回の実験条件ではルーの仕上り温度が115°~165℃の範囲になるように加熱をすると調製過程で上記のような流動特性の変化が認められた.

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