抄録
90名の女子学生を被験者として, 試着・補正されたベイシック・パターンより測定したデータを資料に主成分分析を行い, 体型差が上半身ベイシック・パターンのどの部位にどのようなかたちとして表出したかを求めた.
その結果, 第1主成分にはスレンダー型かスタウト型かの「shape factor」, 第2主成分は肩下りの状態と脇丈の関係の「shoulder factor」, 第3主成分からは姿勢とそれに伴う体型差である「posture and figure factor」が得られた.
これらパターンに表出した体型特徴をとらえることにより, 今までのサイズ因子中心の体型情報により作られたパターンおよびグレイディングの方法が現実の人体の形状を適確に表出していないことが判明された.
適合・着やすさなどを求めるためには, サイズより形状の把握が必須条件となり, 体型差を表出する情報を量産体系のパターンに加え, 基準パターンの時点で体型特徴により区分することが必要となろう.