家政学雑誌
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袖山パターンの幾何学的展開に関する研究
樋口 ゆき子山田 喜美江磯田 浩
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1981 年 32 巻 3 号 p. 216-221

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抄録
袖を上部に回転面を含む楕円柱, 袖つけを平面で近似させ, 袖と身頃との接続関係を角度で表して展開を行った結果, 次のような結果を得た.
1) 袖を上部に回転面を含む楕円柱, 袖つけを平面として近似させ展開することにより, 理論的に袖山曲線が描け, また, いせ込み量も求めることができる.
2) 袖を立体面で考え, 袖つけとの関係を角度で表すことができ, また, その設定には人体測定の結果を用いて行っている.
3) 設定した角度要因が袖山曲線にどのように影響するか検討できる. おもな点をあげると, α, γと袖山の高さとの関係, β と前肩と後面の余裕との関係, δと袖つけ線との関係, εと肩傾斜角度との関係等を考察することができた. とくに, 袖山曲線には, α, ついでδの要因が大きく影響することがわかる.
4) シーチングにより実物を製作して, 今回の仮定による袖山曲線とアームホールとの適合性を確認した.したがって, 以上の結果はすべて実物に適用できると考える.
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© 社団法人日本家政学会
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