カスタードプディングに豆乳を混合し, 豆乳混合プディングをつくり, その性状および嗜好を検討し, 基礎的知見を得た.実験結果を要約すると次のとおりである.
1) 原料大豆に11倍加水してつくった豆乳の成分組成は, 水分92.0%, タンパク質3.6%, 脂質1.7%, 糖質0.9%であった.
2) プディングに豆乳を0, 30, 70,100%と混合濃度を高くすると, プディングの破断力は小さくなる傾向を示した.
3) 豆乳混合プディングの官能検査では, 0%豆乳混合プディングは有意に好まれたが, 70,100%豆乳混合プディングは有意に好まれなかった.すなわち, 10, 30%豆乳混合プディングでは有意の差は認められなかった.
4) 豆乳混合プディングの破断力に対してpHは大きく影響した.pH7.0で破断力の最大値を示したのは, 0, 30%豆乳混合プディングで, pH6.5で破断力の最大値を示したのは, 70,100%豆乳混合プディングであった.プディングのpHがこれより酸性になってもアルカリ性になっても, 破断力は急激に小さくなった.
5) 塩化カルシウム添加による豆乳混合プディングの破断力は, 塩化カルシウム添加量0.2%までは, 混合割合が増すとともに小さくなった.グルコノデルタラクトン添加の100%豆乳混合プディングの破断力は, 添加量0.2%までの場合, 0, 30%豆乳混合プディングと異なり, グルコノデルタラクトン添加量を増すにしたがい大きくなった.
6) 15%砂糖添加のプディングの破断力は, 無添加の豆乳混合プディングの破断力より小さく, また, 豆乳濃度が増すとプディングの破断力は小さくなった.
7) 鶏卵は, 卵黄を加えたほうが, 卵白を加えたほうより破断力は大きくなり, 豆乳濃度が増すと, 卵黄を加えたほうの破断力は大きく, 卵白を加えたほうの破断力は小さくなった.