家政学雑誌
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ニンジンおよびカブのペクチン質について
澤山 茂内村 佳子川端 晶子
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1984 年 35 巻 4 号 p. 242-246

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抄録

新鮮なニンジンおよびカブのペクチン質について検討した結果は, 次のようであった.
1) 総ガラクチュロン酸含量は, ニンジンが672mg/100g, カブが555mg/100gであった.ガラクチュロン酸の四つの抽出画分の比率は, WPではニンジンが9.5%, カブは9.3%, PPではそれぞれ, 24.7, 23.7%, HPでは43.0, 51.2%, KPではそれぞれ22.8, 15.7%であった.メトキシル基含量はWPが最も高く, ニンジンが5.53%, カブが6.30%であり, 両試料ともにWP>PP>HP>KPと順次, メトキシル基は減少した.
2) 各抽出画分の加水分解物のペーパークロマトグラフィーの結果, ガラクチュロン酸のほか, ガラクトース, アラビノース, キシロース, グルコースなどの中性糖が確認された.
3) SephadexG-200カラムクロマトグラフィーによって, ガラクチュロン酸および中性糖の分子量分布を検討した結果, ニンジンでは, 溶剤を異にする各抽出画分間のガラクチュロン酸の分子量分布には, 大きな差は認められなかったが, カブではHPおよびKPで, ニンジソに比べて分子量分布が異なっていた.いずれの試料および画分においても, 分子量の小さい中性糖重合体が認められた.

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