家政学雑誌
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乳幼児を育てながら働く婦人の疲労に関する研究 (第2報)
疲労自覚症状に影響する要因の分析
棚橋 昌子
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1984 年 35 巻 4 号 p. 270-275

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抄録

乳幼児を育てながら働く婦人の疲労自覚症状と年齢, 収入生活時間, 睡眠時間, 健康状態, 子供数, 末子の年齢, 夫の意見の7要因16カテゴリーとの関連について, 林の数量化理論1類により, 多変量解析を行い, 次のような結果を得た.
1) 自覚症状訴え数および1日の訴え増加数との関連性の強い要因は, 収入生活時間, 末子の年齢, 健康状態などである.
2) 朝の自覚症状訴え数を増加させるカテゴリーは, 収入生活時間10時間以上(1.0325), 最近病気をした(0.6921), 末子の年齢が0歳(0.6150) などである.
3) 夜の自覚症状訴え数を増加させるカテゴリーは, 収入生活時間10時間以上(2.0030), 最近病気をした(1.2287), 末子の年齢が0歳(0.8206) などである.
4) 1日の訴え増加数を多くするカテゴリーは, 収入生活時間10時間以上(0.9705), 最近病気をした(0.5366) などである.
5) 睡眠時間8時間未満, 妻が働くことに夫が反対というカテゴリーも, 自覚症状訴え数や1日の訴え増加数をやや増加させる.

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