家政学雑誌
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小麦粉バッターの濃度, 添加物と放置の影響
テンシプレッサーを用いた多重バイト試験による小麦粉の品質と加工特性の検討 (第2報)
辻 昭二郎
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1986 年 37 巻 1 号 p. 33-36

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抄録
既報の小麦粉のバッターの多重パイト試験法を改良して等速運動とし, バイト数も増加し, バッター濃度, 添加物の影響, バッターの放置にともなう変化などについて数値的に検討した.
1) 一般に, 小麦粉のバッターの多重バイト試験においてバッター濃度が大となるほどa, bの経過曲線の勾配の変化は小となった.
2) 多重バイト試験におけるノミイトにともなう経過曲線の最初の変曲点は, 小麦粉の粘弾性特性の変化と関連していることが認められた.この関係を示す4値は強力粉ほど大で薄力粉では小であった.
3) 小麦粉の多重パイト試験のパラメーターam, bm, cm/am, 4などで小麦粉の特性の差を数字的に示すことができる.
4) 既報の1/100N酢酸液バッターによる多重バイト試験はとくに強力粉の粉質問の差をよく示した.
5) 小麦粉のバッターを長時間放置するとその加工性が低下するが, この変化も多重バイト試験のパラメーターの変化で示すことができる.
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