家政学雑誌
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数種のブドウ果実の5℃貯蔵中における有機酸および糖含有量の変化について
望月 てる代黒崎 敏晴
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1986 年 37 巻 10 号 p. 849-854

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抄録

ブドウ果実4品種 (巨峰, ピオーネ, マスカットおよびネオマスカット) 中に含有される有機酸と糖が低温 (5±1℃) 貯蔵中にどのように変化をするかについて, 高速液体クロマトグラフィーにより測定し検討を行った.
1) 実験に使用した4品種のヅドウ果実すべてに共通して, リンゴ酸, 酒石酸およびクエン酸の存在が認められた.
2) 4品種のうち黒色系の巨峰とピオーネには雛バク酸のピークが認められたが, 緑色系のマスカットとネオマスカットにはコハク酸は認められなかった.
3) 供試ブドウ果実中に含有される全有機酸量は0.8~1.5%の範囲にあった.5週間の貯蔵期間中に, 巨峰, ピオーネおよびマスカットの全有機酸量にほとんど変化はなく, 一方ネオマスカットの全 : 有機酸量は増加する傾向を示した.
4) 供試ブドウ果実中の糖として果糖とブドウ糖の2種が検出され, ショ糖は検出されなかった.果糖とブドウ糖の含有割合は約1 : 1を示した.
5) 供試ブドウ果実中の全糖含有量は15~21%の範囲にあることが認められた。5週間の贈蔵期間中に巨峰ピオーネおよびマスカットでは全糖量にはほとんど変化なく, ネオマスカッ塾では減少の傾向がみられた.

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