家政学雑誌
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加工食品中の小麦タンパク質の抽出性の変化
藤井 淑子団野 源一
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1986 年 37 巻 6 号 p. 419-424

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抄録

小麦粉をパンや麺類に加工する際のタンパク質の変化を, 窒素の抽出率, SDSポリアクリルアミドゲル電気泳動パターン, アミノ酸分析によって検討した.
加熱されたタンパク質は1%SDSで10~13%しか抽出されなかった.不溶化したタンパク質は1%2-メルカプトエタノールを含む1%SDSでほぼ完全に抽出された.これは加熱によってS-S結合による凝集が生じたものと推察した.
200℃に加熱されて褐色に変化したパンの表層部分のタンパク質は1%2-メルカプトエタノールを含む1%SDSで30%強しか抽出されないので, S-S結合以外の凝集などによって不溶化しているものと考えられる.しかし, アミノ酸分析の結果はリジン以外のアミノ酸の損傷は認められなかった.

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