家政学雑誌
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衣服地の通気能
茂木 朋子
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1956 年 6 巻 4 号 p. 125-130

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抄録

1. 衣服地の通気能に影響を与える要素は、通過空気の湿度、繊維の吸湿性及び衣服地の直通気孔面積の三者であり、空気の湿度が小さく、繊維の吸湿性が小で、衣服地の直通気孔面積が大きい程通気能は大きい。
なお、直通気孔面積の大きさは、衣服地の組織、織糸の太さ、糸密度及び仕上加工などによつて左右され、組織としては平織が、織糸は細い程、糸密度は小さい程、且つ仕上加工の施されないものが直通気孔面積が大きい。
2. 重ね合わせた衣服地の通気能については、
1) 織目の重ね合わせの方向をかえても通気能には殆ど差異を生じない。
2) 通気能は重ね合わせの枚数の逆数に比例する。
終りに、一般にうす地のナイロン衣服地は通気性が小さいといわれていたが、実測の結果は他のうす地衣服地に比べてむしろ大きい値を示している。

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