家政学雑誌
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共稼ぎ夫婦の生活の時間的構造について (第二報)
子の有無および家事担当者の有無により、夫婦の生活時間構造に与える影響について
稲葉 ナミ
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1956 年 6 巻 4 号 p. 130-139

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抄録

全般の夫妻の生活時間の構造の相異については、第一報の通りであるが、今回の研究により、
1. 子の有無による家族構成別による生活の差は、平日には殆ど表われず、休日には家事労働と社会的文化的生活、その中でも娯樂時間に明らかに表われる。
2. 夫の家事労働時間は、僅かにせよ平日には子の有無により差が表われているが、休日にはその差がない。
3. 夫妻の生活時間に差が少なく、又忙しい中にも生活を楽しんでいるのは、家事担当者もなく、手伝者もない夫婦のみの家庭である。
4. 同じく子のない家庭でも、親と同居している家庭は、休日の家事労働時間を除いては、子のある家庭と殆ど同じである。
5. 家事担当者の有無による生活時間の構造の差は、子の有無による家族構成別のように明らかではない。
6. 子の有無による家族構成別、家事担当者の有無別ともに、同一の家事労働時間については、その家庭の最も必要度の高い家事労働に費されていることが明らかに表われている。

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