1989 年 40 巻 8 号 p. 697-701
酸性および塩基性染料を用いて混合系染料の触媒性光退色が羊毛とナイロン布上で検討された.その結果カーボンアーク灯照射下における触媒性光退色は羊毛上ではさほど認められなかったが, ナイロン布上で顕著に認められた.また触媒性光退色の抑制を目的として, 自動酸化防止剤や一重項酸素脱活性化剤の添加効果についても検討した結果, DABCOや2, 6-ジ-t-ブチルフェノールの添加はさほどその抑制には有効でなかったが, p-トルエソスルホン酸のユッケル塩が非常に優れた退色の抑制効果を示した.そのため, この化合物を混合系染料の触媒性光退色抑制荊の一つとして提案した.