日本家政学会誌
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鶏肝臓マリネの調製条件と清酒添加の影響
木村 友子福谷 洋子加賀谷 みえ子
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1991 年 42 巻 2 号 p. 151-159

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抄録

鶏肝臓をマリネに加工して食べやすくする目的で, マリネ調味液 (食酢・サラダ油に醤油を付加し, さらに清酒を25, 50, 75%添加したもの) に5℃の冷蔵庫で168時間漬け込んだ.その間の望ましい調製条件ならびに清酒がマリネに及ぼす影響について検討した,
(1) マリネ調味液の食塩水を醤油に置換したマリネは官能評価において有意に好まれる判定であった.
(2) マリネの清酒の浸透は清酒添加量増加に伴いほぼ比例してアルコール量が増加することを認めた.
(3) おいしいマリネの調製条件は食酢12.5%, サラダ油12。5%, 醤油25%, 清酒50%の調味液に24時間漬けたマリネで硬さ, 舌ざわりが好まれ, 肝臓特有の臭気が緩和され, かすかな酸味 (pH5.3) があり, 清酒無添加マリネよりタンパク質の含有量が多く遊離アミノ酸の増加が著しく, アンモニア量も少なく味も良好で, 色も赤味度と彩度の値が高く, Aw値0.95, 細菌数104/gで保存性も優れていた.
(4) マリネの清酒添加の影響は, とくに物性の硬さの値や色相の赤味度が漸増し, 食味にも関与し無視できない要因であった.

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