日本家政学会誌
Online ISSN : 1882-0352
Print ISSN : 0913-5227
ISSN-L : 0913-5227
ゼラチンのゲル形成に及ぼす生パイナップル汁の影響
高柳 茂代黒川 理加河村 フジ子
著者情報
ジャーナル フリー

1992 年 43 巻 6 号 p. 519-523

詳細
抄録
ゼラチンゾルにパイナップル汁を添加したゾルおよびゲルの特性について検討した結果を要約すると次の通りである.
(1) パイナップルの頭部は, 中央部, 尾部に比べて, プロテアーゼ活性が強い.
(2) 10%ゼラチンゾルにパイナップル汁を全ゾル量の25%添加した場合でも, 添加直後よりゾルの粘度が低下する.5%以上添加では, ゲル形成能は全く消失する.
(3) ゼラチンゾルに, あらかじめ放置したパイナップル汁を添加すると, ゾルの粘度低下が抑制された.
(4) ゼラチンゾルのpHを5.0または8.0にしてパイナップル汁を添加すると, ゾルの粘度およびゲルの破断応力は最低となるが, ゼラチンゾルのpHを3.0または9.0にすると, 十分なゲル形成能を維持し得た.
著者関連情報
© 社団法人日本家政学会
前の記事 次の記事
feedback
Top