日本家政学会誌
Online ISSN : 1882-0352
Print ISSN : 0913-5227
ISSN-L : 0913-5227
加熱牛肉の呈味形成におけるペプチドの役割
石井 克枝西村 敏英沖谷 明紘田村 由紀子畑江 敬子島田 淳子
著者情報
キーワード: 牛肉, ペプチド, 呈味, 加熱
ジャーナル フリー

1995 年 46 巻 4 号 p. 307-312

詳細
抄録
60℃で6時間加熱した熟成牛肉中のペプチドを分子量別に分画し, 各ペプチド画分の牛肉の呈味形成における役割を調べた.
(1) 加熱した熟成牛肉中には分子量500以下 (I) のペプチドがもっとも多く生成していた.
(2) 分子量500-1,000 (II), 1,000-10,000 (III) および10,000以上 (IV) の各画分を未熟成肉から調製された加熱エキスに添加した結果, (III) のペプチド画分が加熱エキスの酸味を抑制し, まろやかさを増強することが判明した.
(3) (I) のペプチド画分も牛肉のまろやかさの増強に寄与していることが明らかとなった.
(4) (I) のペプチド画分には酸性画分がもっとも多かった.また酸性ペプチドを構成するアミノ酸としてはグルタミン酸が多かった.
著者関連情報
© 社団法人日本家政学会
前の記事 次の記事
feedback
Top