ゲルのレオロジー的特性に対する米粉の粒度, また副材料添加の影響について検討してきた結果を要約すると次のようになる.
(1) 粒度の異なる上新粉ゲルにおいて, 粗粒のゲルは硬いゲルを形成し, 細粒のゲルは粘性が強くやわらかいゲルを形成した.
(2) 牛乳添加上新粉ゲルは対照ゲルよりも, テクスチャー特性値, 破断特性値ともに高い値を示し硬くてこわれやすいゲルとなったが, 市販菓子 “ういろう” の食感に近いゲルを形成した.
(3) 副材料添加上新粉ゲルは水分量の違いや副材料自体も水を抱え込んでいることから, 結合水が多く自由水が少ないが, 粒子の膨潤糊化は阻害されており, 酵素による分解率は低下した.
(4) 加熱時間を延長したゲルは膨潤糊化が進み, 分解率が上昇した.
なお, 本報の概要は, 日本家政学会第47回大会において発表したことを付記する.