日本家政学会誌
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着用実態からみた足部形状と靴のサイズおよびとめ具別はかせやすさとの関係
歩き始めの子どもを対象とした靴設計に関する基礎的研究 (第2報)
古田 幸子鈴木 明子木岡 悦子森 由紀高森 壽菊藤 法谷山 和美
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1998 年 49 巻 1 号 p. 49-58

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抄録

歩き始めの子どもの靴の着用実態を調査し, 着用靴にどのような特徴があるのかを, 足部形状の成長変異の結果をふまえて, サイズ, はかせやすさ等の面から, 検証することを試みた.主な結果は以下のとおりである.
(1) 調査当日の着用靴について, 保育者は「サイズ」「はかせやすさ」を主な購入動機としており, 足への適合性と同程度に, はかせる側の着脱の簡便性が重視されていた.一方, 半年から1年の間同サイズの靴をはかせている例もみられた.また, ほとんどの者がはかせやすさについては評価の高い靴を着用しているものの, とめ具の様式によってはかせやすさの評価が有意に異なることなどが明らかになった.
(2) 乳幼児靴全般を対象にしたサイズ適合に関する実態は, 約3割強が, 大きめのサイズを購入しており, 全体の約半数の者が, 足長を基準に選んだ際, 他の部位が合わない場合があるとの回答であった.特に足先から甲を覆う部分に関して, 市販靴のゆとり量に問題がある場合が多かった.
(3) 足部計測値と着用靴サイズ間の関係を分析した結果, 足高の計測値と靴サイズとの相関が低く, 靴設計において考慮する必要があることが確認された.

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