日本家政学会誌
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次亜塩素酸ナトリウム漂白における臭化ナトリウム添加の影響
渡辺 紀子
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1999 年 50 巻 6 号 p. 587-593

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抄録
直接染料で染色した綿布およびセロファン膜を用いて, 次亜塩素酸ナトリウム (NaClO) 漂白におよぼす臭化ナトリウム (NaBr) の添加効果について検討した.
NaClOl % (有効塩素 1,300 ppm), 室温下, pH 10.5 において, NaBr を染色綿布では 0.1%, 染色膜では 0.005% 添加することにより高い漂白効果を示した.
NaClO 単成分水溶液および NaClO/NaBr 混合液の吸収スペクトルの極大吸収波長が, それぞれ293nm, 330nm であることから, NaBrの添加は浴中にNaBrO を生成することを確認した.
NaClO /NaBr 系の漂白力は, pH 10 付近の弱アルカリ浴中において効果があるが, 強アルカリ浴中ではNaBrO の生成が阻止されるため漂白率は低下した.
NaBr添加漂白は, 加熱漂白と比べて布の強度低下率が少ない.
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