抄録
近年, わが国においても生活習慣病による疾病負担は著しく増大しており, 早期発見, 早期治療につとめ, 虚血性心疾患, 脳血管疾患など動脈硬化性疾患の発症を予防することが大切である。ここ数年, WHOおよびアメリカの各専門委員会から, 肥満, 糖尿病, 高血圧, 高脂血症の新しい診断基準が相次いで報告され, わが国の診断基準についてもいくつかの改定が加えられた。本稿ではこれら肥満, 糖尿病, 高血圧, 高脂血症の診断基準の概略を提示した。今回の改定ではいずれも予防医学的側面が重視され, より早期, より軽度の病態から対処するよう促すものである。