日本総合健診医学会誌
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経腹的超音波断層法による前立腺計測の臨床的意義
諸井 中矢川 裕一椙下 智代小見山 典子大田 由己子馬渕 原吾小幡 裕
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2000 年 27 巻 3 号 p. 265-271

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抄録
人間ドックをはじめ幅広く用いられている経腹的超音波断層法による前立腺計測の臨床的意義について検討を行った。対象は当所の人間ドックを受診した男性会員77名で, 内訳は正常67名, 前立腺肥大症10名である。方法は経腹的超音波断層法により前立腺の最大水平断面を描出し, その左右径と前後径, および移行域の左右径と前後径を計測し, さらに移行域重量Vをπ/6ab2の計算式より算出した。その結果, 年齢と前立腺移行域の大きさとの間にやや正の相関関係がみられた。血清PSA値と前立腺移行域の大きさとの間に正の相関関係がみられた。前立腺肥大症状の有無により, 前立腺の前後径, および移行域の左右径と重量において有意な差がみられた。前立腺肥大症を鑑別する移行域重量のcutoff値を5.8gと設定すると, 経腹的超音波断層法のsensitivityは70.0%, specificityは73.1%であった。
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