抄録
1999年4月から2000年3月の間に当施設で健康診断を実施した2, 726名の男性を対象として, 肥満, 喫煙および飲酒のヘモグロビン濃度に及ぼす影響を明らかにするため本研究を実施した。受診者を体脂肪率, 喫煙量および飲酒量により分類し, これら各条件について, ヘモグロビン濃度, 血清総タンパクを検討項目として一元配置分散分析を行いScheffeの方法により有意差を検定した。最肥満群 (体脂肪率35%以上, N=52) のヘモグロビン濃度の平均値は16.448g/dlで, 非肥満群 (体脂肪率20%未満, N=667) の15.042g/dlより有意に高く (p=5×10-17) , 最肥満群の血清総タンパクの平均値も7.623g/dlで, 非肥満群の7.283g/dlより有意に高かった (p=1×10-7) 。重喫煙群 (1日喫煙が51本以上N=35) のヘモグロビン濃度の平均値は16.391g/dlで, 非喫煙群 (N=801) の15.505g/dlより有意に高かった (p=5×10-8) 。最飲酒群 (ほぼ毎日飲酒し1日の飲酒量がエタノール55g以上の群, N=167) のヘモグロビン濃度の平均値は15.893g/dlで, 非飲酒群 (N=637) の15.508g/dlより有意に高かった (p=0.01) 。これらの成績より, 体脂肪率35%以上の肥満, 51本以上の重喫煙, エタノール55g以上の飲酒が, それぞれヘモグロビン濃度を1.206g/dl, 0.471g/dl, 0.180g/dl上昇させると見積もることができ, ストレス赤血球増加症の大部分は肥満, 喫煙と飲酒がその発症に関与していることが, 明らかとなった。