人間と生活環境
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居住者の室内温熱環境調節行為のモデル化による住宅の空調エネルギー消費の予測
羽原 宏美鳴海 大典下田 吉之水野 稔
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2004 年 11 巻 2 号 p. 83-88

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抄録
一般住戸を対象とした暖冷房使用に関する実態調査を実施し、オン操作生起時の室温条件に関して検討した。また、調査結果を用いて室内温熱環境調節行為のモデル化を行った。さらに、一般的な熱負荷計算に用いられる行為決定方法と本研究の行為モデルによる住宅の空調エネルギー消費予測結果を比較した。得られた知見を以下に示す。(1)オン操作生起時の平均室温は時間帯によって異なり、冷房期では『朝方・就寝前』が『昼間・夕方』より約1.2℃、暖房期では『朝方』が『昼間・夕方・就寝前』より約2.5℃低かった。(2)冷房オン操作生起時の平均室温は、『就寝時』の方が『朝方・就寝前』および『昼間・夕方』より低く、前者と後者の差は約1℃から約2℃であった。(3)本研究の行為モデルによる予測結果は一般的な熱負荷計算に用いられる行為決定方法によるそれに比べて、冷房時間は約20%、期間積算空調エネルギー消費は約8%小さい。
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© 2004 人間-生活環境系学会
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